2025年5月28日未明、千葉県松戸市の住宅で、生後4か月の男の赤ちゃん・福井暁人ちゃんが意識を失った状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認されました。
「子どもを殺した」と自ら通報したのは、赤ちゃんの母親である33歳の会社員・福井未紗容疑者。警察によると、彼女は自宅の浴室で赤ちゃんを浴槽に沈めて殺害したと供述しており、殺人の疑いで逮捕されました。
調べに対し、福井容疑者は「育児をしていく自信がなくなった」と話し、容疑を認めています。警察が到着した際、容疑者は赤ちゃんを抱いていたといい、事件当時も強い葛藤があったものとみられます。
事件前日のSOSと児童相談所の対応
事件の前日、福井容疑者は児童相談所に「育児がつらい」「体調が悪い」と電話相談をしていました。通話は27日午後2時ごろ、児童虐待通報用ダイヤル「189」を通じて柏児童相談所につながり、約20分間のやり取りが行われたとされています。
児相ではその後会議を開き、当日のうちに再度連絡し、翌日に家庭訪問することを決定。しかし、実際に訪問する前に事件が発生してしまいました。
千葉県は「当日のうちに訪問の提案もしており、対応に問題はなかった」としていますが、結果として命を救うことはできませんでした。
母親の孤立と“育児の限界”
「育児に自信がなくなった」──この言葉は、決して珍しいものではありません。出産直後から続く不眠や疲労、子どもの泣き声、終わりのない授乳やお世話。周囲から「母親ならできて当然」とされる空気の中で、心がすり減っていく母親たちは少なくありません。
福井容疑者も、おそらく誰にも本音を吐き出せず、ぎりぎりのところで児相に電話をかけました。あの日、誰かがすぐにそばにいたら、赤ちゃんの命も、母親の未来も、変わっていたのかもしれません。

私たちにできること
育児に悩む声に、私たちはどれだけ耳を傾けられているでしょうか。
「しんどい」「つらい」「限界」と感じたとき、遠慮なく声を上げられる社会に。
「助けて」と言った母親に、すぐ手が差し伸べられる体制に。
そして、母親が“ひとりじゃない”と心から思えるような社会に。
この痛ましい事件を無駄にしないためにも、私たち一人ひとりが「見えないSOS」に敏感でありたいと思います。
どこに相談すれば良いかわからない、警察は証拠がないと動いてくれないという現場には「児童虐待ZERO」のスタッフが、いちはやく駆け付けて、少しでも早く解決に向かうお手伝いをさせていただきます。
ガルエージェンシー松戸